積読リストがとりあえず効を奏したというか、まあ今日思い立ったわけだからあまり奏しているとはまだ言えないわけではあるのだが、一冊消化。
江戸時代の価値観は今とはぜんぜん違うぞということが書かれている。と書くとそりゃそうだと思うけど、今当たり前だと思っていることがホントにそうなのか?という観点で書かれている。
江戸時代の気分から見ると、いま、ふつうだとおもってることの多くが、実に特殊な、現代人だけにしか通用しない常識にのっとってることがわかってくる。これが「江戸時代っ子の視点」というものだ。いやおれが勝手に呼んでるんですが。だって、エコなんて、ほんと、不思議なことやってるよなあ、とおもうもんね。スキーウエアを着て泳いでいる人が「泳ぎにくい水になっているから、もっと泳ぎやすい水に変えよう」と叫んでるみたいである。おれは、半公や清公と一緒に「あの妙ちきりんな服を脱ぎゃいいのになあ」「そうはいかねえ訳があんだよきっと」なんて言い合っているばかりである。江戸時代っ子から見れば、エコがいっとう不思議です。まあそれはいいか。(あとがき)
こんな感じの語り口で、けっこう難しいことを語っていたりして、それがまた面白いのだった。
著者は京都出身で、上方落語と江戸落語のバイリンガルだそうだ。こういう人はめったにいない。この本の中にも上方落語がたくさん出てくる。本の後ろのほうには111本もの落語の紹介が載せられている。これだけでも面白い。
そういえば僕はあまり上方落語は聞いたことがないな。今度さがしてみようかな。
落語の国からのぞいてみれば (講談社現代新書)
堀井 憲一郎
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