面白かったけど、ちょっと盛り上がりに欠ける感じがしなくもない。
北海道が舞台ということになっているのだが、あらゆる設定がぜんぜん北海道っぽくないところもいただけない感じ。
地方医療の問題を描いていながら、そこにリアルさが感じられないのは、作者の限界なんだろうなと思う。
現在の医療政策に関する問題提起は相変わらず鋭い。それが話を小難しくしてしまうところも相変わらずだが、この作品はそういう側面が強すぎてエンターテインメント要素が足りない気がする。まあ、姫宮の活躍が唯一といっていい見所かな。
とはいえ、シリーズ全体の一冊としてみれば、欠かすことができない作品だと思う。シリーズのほかの作品を読んでいる人なら十分に楽しめるのではないかな。
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