古くからの祭りの持つ幻想的で物悲しい雰囲気を、独特のタッチで描いたファンタジー。 祇園祭、いや京都の街にはその成り立ちにこの世ではないモノが漂っている。森見作品の幻想世界にはそんな空気が多分に含まれているような気がする。 向こうの世界と重なる宵山。怖いような悲しいような。だからこそ惹かれてしまう。そんな京都への愛が感じられる作品。 明るい物語もいいけど、やっぱり彼の書きたいのはこういう京都なのだろう。僕はますます京都が好きになってしまった。
宵山万華鏡森見登美彦
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んちば、またはにゃお。 北海道生まれ北海道育ちの生粋の道産子。
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