この本、すごく面白い。普段何気なく使っている漢字の成り立ちがわかりやすく説明されているだけでなく、その背景となる古代中国の社会について考えをめぐらせる楽しみがある。
漢字は象形文字ということはなんとなく知っていても、どの部分がなにを表しているのかということについてじっくり調べることも考えることもなかったし、ましてどうしてそれが現在の漢字の意味になっているのかなんてほとんど考えることはない。この本はそういうことを楽しく紹介している。
たとえば「道」。しんにょうの部分は街路と足をくっつけたもの。これは旧字を見るとよくわかるのだが、なぜそれと文字通りの人の首がくっついているのか?この訳は是非本書を読んでほしい。古代文字が併記されていてそのあまりのリアルさにちょっとゾッとしたりする。
古代文字を手がかりに漢字を見直してみると、象形を単純に組み合わせたものであることがわかる。だから漢字は一文字一文字覚える必要はないものなのだ。しかもその組み合わせの裏にはいろいろな物語があるわけで、それを想像するのはとても楽しい。
現在の日本語の漢字はこれらの古代からの意味を考えずに簡略化してしまったので本当に意味のわからない記号になってしまっている。中国の簡体字にいたってはそれがもっとひどいのだということもわかった。何千年もの歴史を持つ文字だから無理もないのだけれど、逆に言うと漢字は何千年もその意味を維持してきているということでもあるわけで、それはある種の人間の認識に対する表現の合理性を証明するものでもあるのだな。
こうやって学べば漢字はとても楽しいのだ。
[いいですね]
あ、ここで紹介されてた本だったのですね>「漢字は楽しい」
私が小学校に入学した時、父が一冊「漢字読み書き字典」という本を買ってくれまして、そこで漢字の成り立ちやひらがなの成り立ちが紹介されていたので、大変興味深く読んだものです。「目」とか「血」とか、好きでした。この本もほんと面白そうですね。ぞくぞくしそうです。本屋さんに行って探してみます。
投稿情報: えび | 2007/03/11 05:36
子供の頃に出会う本は大切ですよね。小さい頃に興味を持ったことって後になっても飽きないような気がします。
「漢字は楽しい」のカバーの絵、熟語になっているみたいなんです。まだ解読してないんですけど。是非楽しんでくださいね。
投稿情報: んちば | 2007/03/11 09:08
会社の近くの本屋さんで早速買ってみましたー。
漢字の成り立ちがイラスト入りでじっくり書き込んであるので、おおっ?という感じでついついじいっと覗き込んで味わってしまうものですから
文庫本などによく使ういわゆる飛ばし読みができず、中々ページが進みませんね。ちょっとずつ楽しみながら読んでいきますね。
カバーの絵は熟語になっているのですね!それは楽しそうなことを教わってしまいました。解読できる日が楽しみです。
投稿情報: えび | 2007/03/18 03:09
じっくり読んじゃいますよね。タイトルどおり「漢字は楽しい」ですよね。
もっといろんな字形について知りたくなります。
この本、テレビの書評番組で紹介していたんですが、結構影響があるんですね。その日に大手の書店に行って探していたら、同じ本を探している人が数人いました(笑)
Amazonで検索すると併せて紹介される本も同じ番組で紹介されたもので、比較的地味な番組だと思っていたのですが、結構見ている人がいるもんなんだなあと思いました。本好きって多いんだなあと。
投稿情報: んちば | 2007/03/18 08:11
[いいですね]
これは面白そうな本ですね!
amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」に「白川静さんに学ぶ漢字は怖い」なんてのも気になります(笑)
最近近くに少し大きめの本屋さんができたので、次回行った時に探してみようと思います^^
投稿情報: Laka | 2009/06/17 15:29
このシリーズ、面白いですよ。
漢字が大好きになる本だと思います。
やっぱり小さいうちからこういうので学ばないと。。。
投稿情報: んちば | 2009/06/19 18:33