いい天気に誘われてふらりと外に出たら、ふと図書館に行こうと思った。
前から近くを通りながら、いつか行ってみようと思っていた広々とした芝生の前庭のある図書館。
駐車場はさほど広くないが、満車になることもなさそうだ。
規模は、巨大な書店を見慣れた今では大きいという感じはしないが、通常の閲覧室のほかに開架書庫があって、そこにはみっちりとここ10年ほどの蔵書が収まっている。
開架書庫の中でウロウロと目的の本を探していたら、司書の女性が声をかけてくれて、漠然としたキーワードから的確な書架へ案内してくれた。なんとなく気後れがする窓口でなにかをたずねるよりも自分で探すほうが好きな僕は、図書館のリファレンス機能を利用したのは実はこれが初めてだった。
インターネットを利用するようになって、大抵の調べ物はそれで済むと思ってしまっていたが、今でも図書館には大量の情報が詰まっている。そして、Googleで検索するように図書館職員の力をかりることができる。これは実は随分贅沢なことだ。
図書館の楽しみは、目的の情報を得ることよりも、その本の周辺とか隣の書架の本を眺めて、興味のある本を見つけることにある。それに、後ろめたい気持ちにならずに堂々と本を読み、必要な部分はノートに書き写すことができることである。
考えてみれば小学校に入学して以来、社会人になるまでの人生の半分は図書館に足しげく通っていた。社会人になってからは書店で本を買うことのほうが多くなって遠ざかっていた。情報の変化の激しいソフトウエア業界で仕事をしていることもあって、すぐに古くなってしまう技術書を読むために図書館をあてにすることができないという事情もあったが、どこか図書館は古臭いという感じを持っていたことも確かである。
今日の図書館は僕のそんな認識を、学生の頃の感じていた頼もしいものに引き戻した。
じっくり物事を調べるならやっぱり図書館がいい。あの独特の空気の中でページをめくり、ノートに要点を書き取る。とても懐かしい、とても贅沢な時間を過ごすことができる。
また昔のように図書館に通ってみようと思った。
[いいですね] んちばさん、図書館いいですね!
ここ大阪へ越してきてから、図書館というものから同じく足が遠ざかっていましたが、あの空気、あの雰囲気ですねー。
私も図書館というものは、蔵書を目的にというよりは
あの静かで止まったような時間の中で、心を落ち着けて本に目を落とすのが目的でよく通っていました。
今している勉強の分野は意外と図書館に勉強のヒントが眠っていそうですね。
実家にいた時はどこにどんな図書館があってというのをよく知っていましたが、別な都市に移り住んでからはなんとなく図書館が遠い存在になってしまっていました。
んちばさんの記事の中には、生活を楽しむためのお知恵がたくさんつまっていますね。大阪の図書館の在り処を探すことから始めてみます!
投稿情報: えび | 2007/05/06 13:19
図書館の空気ってどこに行っても同じですね。勉強している学生さんなんかを見ると、なんだか昔に戻ったようで楽しくなります。
あの空気の中で勉強してみると、いつもと違った発想が生まれてくるかもしれませんね。閲覧室の机に調べる本を何冊も積み上げるのもなんだかいい感じかも(笑)
形はともかく、調べようと思ったらそこに本があるというのは心強いと思います。
勉強は楽しく。ですね。
投稿情報: んちば | 2007/05/06 19:56