「図書館戦争」を読み終わったので、早速この間の土曜日に書店に行って本編の残り三冊を買ってきた。
で、 夕方から読み始めて深夜まで読み、日曜の朝起きて本を開いて午後には読み終わってしまったというくらいはまっている。
読み進むほどに作者は肝が据わっていると感じる。
普通なら取り上げにくいテーマを真正面から捉えてそれを問題化しないように書くのには、かなり周到な準備と決意がいるはずだ。この作者にはそういう根性があるのだな。
言論とか表現の自由と言葉狩り、検閲といったシビアな問題をきちんと洞察し、それをさらに個人と社会の問題とからめて描くのは並大抵のことでは
ない。感性だけではない努力をそこに感じる。そして、そういうシビアな問題と並行して描かれる恋愛模様が、読む側を疲れさせないようにバランスしている。
描かれる世界は少々突拍子もないし、とてもリアルとは言えないが、作者が持つ危機感がうまく伝わってくる。しかし娯楽作品としてのポジションははずさない。こういう書き方が出来る人はあまりいないのではないか。
というわけで、すぐに3巻目に入ってしまうのだった。
図書館内乱
有川 浩
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