ふとした空き時間の読み物として、僕はiPod touchに青空文庫の本を入れて持って歩いている。
とはいえ、青空文庫の本を片っ端から読むというわけにもいかないので、なんらかのテーマで検索に引っかかった本をダウンロードする。で、今回のテーマは「北海道」。
読んだのは以下の7冊。
戦前の日本といえば、なんだか現代とのつながりがぶっつり切れているような気がするけれど、これらの僕にとって身近な地域の昔の文章を読むと連続性を感じることができたりして面白い。
石川啄木は歌集よりもここにあげたような文章が面白いような気がする。新天地に来て気負っている感じがどの文章にも出ていて、そこらじゅうで見得を張っているような様子が気恥ずかしいが、それがまた人間臭くていいと思うのだ。
「鰊漁場」は「蟹工船」と同じ雰囲気を持つ作品だが、「蟹工船」よりも生活感が漂っている。しかも「蟹工船」では触れていない社会の階層構造に
ついても表現していて興味深い。これを読んでいると、昨今の金融危機の根源のようなものが見えたりしていろいろ考えさせられるのだ。
「日高十勝の記憶」は、道路や交通手段は変われども見える景色はあまり変わっていないなあと感じるなかなか良い紀行文である。
そのほかに二作も明治から大正の頃の北海道の様子がつづられていて楽しい。
こういう文章を読んでいると、図書館で古い文献をあたってみたくなる。次の休日は図書館にこもってみることにしようかな。
[いいですね] そうか!
青空文庫内検索をすればいいのですね(゚∀゚)
全く思い及びませんでした(汗
山梨にいたことのある太宰治が、山梨を舞台にした作品をいくつか残していて、読み返してみたりしていたところなのです。
住んでいるところや、馴染み深い土地が舞台になっている作品には親近感を持てますね。
投稿情報: Laka | 2008/10/22 12:28
そうなんですよ。
全文検索ができるからできる面白い読み方ですよね。
僕は地図を見ながら本を読むのが好きで、こういうローカルな内容の読み物はいいなあと思います。
投稿情報: んちば | 2008/10/22 23:21