登場人物が暖かくて、最初から最後まで安心して読める。
職人を主人公とした時代小説ってあるようでそれほどないかもしれないな。しかも頑固一徹損得を考えないみたいな職人の話はありそうだけど、商売を成功させる職人というのはそんなに描かれていないと思う。
財政赤字の果ての棄捐令。開き直る債務者。金詰まりによる不景気。この物語を書いた背景には前のバブル崩壊があったのだろう。細かい原価を考え、工夫を重ね、仕入先と交渉し、さらに相手のビジネスまで考えてさらに大きなビジネスにする。そういうことを地道にやっていく人々によって景気は回復するのだという思いが伝わってくる。
今まで読んだ山本一力作品の中では一番好きかもしれない。
柿鮨、食べてみたいな。
銀しゃり[文庫] (小学館文庫)
山本 一力
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一力さんの作品のごはんって、妙においしそうですよね。
前回、なんでしたっけ、んちばさんの紹介で
「だいこんや」の話を一作、読みました。
あれも炊きたてのごはんと、鰯の煮付けが異様に美味しそうでしたよね。
一押しですか…、メモっときます。
私、現在、桜庭一樹と川上弘美と、女流作家読書中です。
投稿情報: えび | 2009/07/26 17:45
「だいこん」もなかなかいいですよね。
江戸モノの食べ物はホントおいしそうです。
一力さんはこれからも食べ物でいくんでしょうね。先が楽しみです。
川上弘美はおもしろいのがありそうだなあ。
なんとなくウチにような気がするからちょっと聞いてみるよう(^^)。
投稿情報: んちば | 2009/07/29 21:29