NHKの「プロジェクトX」で見たバチスタ手術の話が印象に残っていた。
それで「チーム・バチスタの栄光」も読んだのだった。
海堂尊も「チーム・バチスタの栄光」を書くときに「プロジェクトX」の記憶をヒントにしたらしい。そして、須磨さんに関心を持っていたのだという。
彼は手術には明確に成功するイメージを持って臨む。この「成功のイメージ」をきちんと持てるかどうか。これがとても大切なことなのだ。同時に読んだ本から似たメッセージを読み取った。たぶん僕の無意識の今のテーマなのだろう。
須磨が今の若い外科医を見て気になるのは、彼らの保守性だという。彼らは失敗したときのいいわけを考えながら、失敗しないように常に何かを加えていく。だから作業量が減らない。あれもやり、プラスしてこれもやる。そうした姿勢こそが失敗を防ぎ、二度と過ちを犯さない方法だといわんばかりにどんどん手技を加えていく。
だがそれは、単なる臆病者の安全策にすぎないのではないだろうか。
「一人前になるには地獄を見なければならない。だけどそれでは所詮二流です。一流になるには、地獄を知り、その上で地獄を忘れなければなりません。地獄にひきずられているようではまだまだ未熟ですね」
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