この本、僕が読みたかったものだ。
もともと旅モノが好きなのだ。なかでもアジアものは好きだ。
でも、通りいっぺんの、ここに行ってきましたこうでしたというのはいまひとつだ。そこで経験した事から考えたことを淡々と書いたモノが好きなのだ。この本はまさにそういうことがかかれている本だった。旅モノは正確ではない。旅のことも書かれているエッセイ集だな。
特に印象に残ったのは天山北路(新疆ウイグル自治区)の食べ物の話。それとオリエント急行のどんなに揺れても動作を止めずに一滴もこぼすことなくワインを注ぐ食堂車のスタッフの話。そして涙腺がゆるいとやられるお母さんの話。
僕はこれまで角田光代作品は読んだことがない。でもこの文章を書く人ならたぶん大丈夫。もっといろんな作品を読んで見たくなった。
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