「夜は短し歩けよ乙女」を読んでから、他の森見作品を読もうと思いつつ、病み上がりの仕事の忙しさというより忙しい気分にかまけてなかなか手をつけられなかった。
書店で何冊か並んでいる本をパラパラとめくって、「夜は短し歩けよ乙女」に出てきた樋口・羽貫が出てくるのでこの本を選んだ。
読み始めて、その構成の面白さが徐々にわかってきた。パラレルってそういう意味か。と。そして、最終話に至って、この作品の着想の原点が語られて落着する。
この人の文体はクセになる。構成もそうだが、文体も異常に凝っている。著者が「無意味極まる超絶技巧を駆使した、登美彦氏史上もっとも厄介な小説」と言っているとおりだ。「詭弁論部」的文体というものかもしれない。
僕は樋口がこの本の中の修養の末、「夜は短し歩けよ乙女」の超人技を身につけることになるということを理解し、羽貫のような歯科衛生士が居そうな気がして歯科通いに力が入るようになった。さらには唾棄すべき親友の小津のようなヤツが近くにいたらいいな。などといつの間にか考えて、戦慄が走った。
じつはこれを読んでから「夜は短し歩けよ乙女」に進むべきだったかとも思うが、読んでしまったものは取り返しがつかないのであった。それにどっちから読んでも話がつながっているわけではないからどうでもよいともいえるのである。いずれにしても面白かった。
書店で何冊か並んでいる本をパラパラとめくって、「夜は短し歩けよ乙女」に出てきた樋口・羽貫が出てくるのでこの本を選んだ。
読み始めて、その構成の面白さが徐々にわかってきた。パラレルってそういう意味か。と。そして、最終話に至って、この作品の着想の原点が語られて落着する。
この人の文体はクセになる。構成もそうだが、文体も異常に凝っている。著者が「無意味極まる超絶技巧を駆使した、登美彦氏史上もっとも厄介な小説」と言っているとおりだ。「詭弁論部」的文体というものかもしれない。
僕は樋口がこの本の中の修養の末、「夜は短し歩けよ乙女」の超人技を身につけることになるということを理解し、羽貫のような歯科衛生士が居そうな気がして歯科通いに力が入るようになった。さらには唾棄すべき親友の小津のようなヤツが近くにいたらいいな。などといつの間にか考えて、戦慄が走った。
じつはこれを読んでから「夜は短し歩けよ乙女」に進むべきだったかとも思うが、読んでしまったものは取り返しがつかないのであった。それにどっちから読んでも話がつながっているわけではないからどうでもよいともいえるのである。いずれにしても面白かった。
[いいですね]
ほんと、クセになるんですよね、この文体。
いつまでも味わっていたいと思いました。
この本も面白かったですよね!
私は2・4番目が好きでした。
2番目はこの作品自体のルールを覚えるのにちょっと抵抗はありましたが
ああ、これがルールなのね、オッケー、と思ってからは面白くて。
4番目のエンドレスなサバイバルが特に好きでした。
毎日食べるものもお金も手に入るのに、この世界はちょっとイヤだ!と。
唾棄すべき友人の小津くん、ナイスキャラでしたね!
投稿情報: えび | 2007/12/08 20:08
4番目の世界観って、時空がらみのSFなんかを読んだことのある人なら一度は考えたことがあると思うんですよね。ほんのちょっと違う世界がずっとならんで続いているという感じ。
それを4畳半という正方形の部屋を並べることですごく想像しやすく表現しているのがいいですよね。
それから、各章って微妙に入り組んでいるところも面白かった。4番目の話って3番目くらいに伏線が張ってあるし、そういうケースが結構ありますよね。4番目で説明されている世界が実はこの本全体の構造も表しているという入れ子の構造。二度目以降はそういうのを意識するとまた新しい面白さが見つけられそうで、しばらく経ったらまた読み返そうと思っています。
投稿情報: んちば | 2007/12/09 11:26