「四畳半神話体系」を一気に読んで、次はなにを読もうと書店で眺めていて、やっぱりこれを読もうと購入。
原典を読んだことがあるのは「山月記」と「走れメロス」だけだった。だが、どの短編も原典をしらなくても十分に楽しめた。もちろん原典を知って読めばもっと楽しめるのは間違いない。
走れメロスはたぶん誰でも一度は読んだことがあるだろう。だからまずこれを新釈で読むのがおすすめかもしれない。読みながら何度も笑って(失笑して)しまうこと請け合いである。
だが、僕が好きなのは「藪の中」と「桜の森の満開の下」だった。原典を読んでみたくなって読んでみたら、どちらも新釈のほうがいいと思った。
「藪の中」は思い浮かぶ情景の美しさの点で新釈のほうが気に入っている。「桜の森の満開の下」の原典は桜の情景のほかは凄惨すぎる感じがして少し辛かった。どちらも原典が表現しているココロの部分を新釈ではうまく生かし、ずっと読みやすくしているような気がするのだ。
「百物語」はかなり原典に忠実に描かれているようで、森見らしさが他の作品より少ないように感じる。江戸の風情の残る東京の姿と、謎の催主への興味の表現の細やかさの点で原典が気に入った。
原典が読みたくなる新釈。もっといろいろ書いてほしいと思った。
原典を読んだことがあるのは「山月記」と「走れメロス」だけだった。だが、どの短編も原典をしらなくても十分に楽しめた。もちろん原典を知って読めばもっと楽しめるのは間違いない。
走れメロスはたぶん誰でも一度は読んだことがあるだろう。だからまずこれを新釈で読むのがおすすめかもしれない。読みながら何度も笑って(失笑して)しまうこと請け合いである。
だが、僕が好きなのは「藪の中」と「桜の森の満開の下」だった。原典を読んでみたくなって読んでみたら、どちらも新釈のほうがいいと思った。
「藪の中」は思い浮かぶ情景の美しさの点で新釈のほうが気に入っている。「桜の森の満開の下」の原典は桜の情景のほかは凄惨すぎる感じがして少し辛かった。どちらも原典が表現しているココロの部分を新釈ではうまく生かし、ずっと読みやすくしているような気がするのだ。
「百物語」はかなり原典に忠実に描かれているようで、森見らしさが他の作品より少ないように感じる。江戸の風情の残る東京の姿と、謎の催主への興味の表現の細やかさの点で原典が気に入った。
原典が読みたくなる新釈。もっといろいろ書いてほしいと思った。
[いいですね]
さすがんちばさん、「藪の中」と、「桜の森~」がお好きとは。
私は「桜の森~」は新釈のほうも原作のほうも両方好きでした。
もっとも原作のほうは、この新釈を読んでから読んでみたのですけどね。
原作はちょっとホラーで、でも流れている静かな不気味さは同質のもの、というような。
「走れメロス」は文句なしに笑えました。
反乱する川が鴨川だったり、飛び乗る電車が阪急電車だったりするのは
関西在住のものにとってはちょっとたまらなかったり。
最後の「やさしく殴った」は「あ、お友達パンチだな。」とニヤニヤしちゃいました。
投稿情報: えび | 2007/12/08 20:09
実は僕、今年の1月に初めて京都に行ったんですよ。
北海道では高校の修学旅行が京都奈良なんですが、僕は熱を出して行けなかったという寂しい過去がありまして、一度行ってみようと思いつつなかなか行けなかった。
で、飛行機のマイレージが結構たまっていたのでそれを使って家族で二泊三日で大阪京都神戸の強行軍をやりました。
そのときに京都がとても好きになりまして、こんどは京都だけをターゲットにゆっくり見たいと思っています。
なので、森見作品は地図を見ながら読むのが楽しい。
旅行では大阪に泊っていて、京都には阪急で入ったので阪急電車のあたりはなんとなく想像ができたし、次は嵐山は行かなきゃとか北東のあたりはなんだか見所が多そうだなとか、電車の通り道にこんなところもあるんだなあなんて気づいたりして、原典「走れメロス」のスケールを恐ろしく狭いエリアに閉じ込めた新釈が観光案内みたいに楽しみを拡げてくれるのがたまらない。
他の本でもよく地図を広げることがありますが、森見作品はかなりミクロな魅力があって、地図好きにおすすめの作品だなあなんて思いました。
今年も今月切れるマイレージがあるからどうにかしてまた行ってみようかなあ。。。
投稿情報: んちば | 2007/12/09 11:50