男の子なら一度は憧れる電車の運転の本。
運転テクニックだけでなく電車の動作原理から電源、モーターの性質、制御器の仕組みや特徴、ブレーキの仕組み、線路や架線の構造、保安設備など運転士が知っておかなければならない専門知識がたくさん載っていて面白かった。こういう多岐にわたる知識の上に安全運行が成立しているということが実感できた。
この手の本では以前、旅客機の操縦業務に関する本、もっと対象を絞ってボーイング747の操縦の本を読んだことがある。ちょっと角度は違うが航空管制に関する本とか、航空機のテストパイロットの本も読んだことがある。いずれにしても安全のために現場で行われている努力には頭が下がる。
この手の本を読んでから、乗客としての僕は多少の遅れでピリピリすることが少なくなったし、安全確保のために設けられている制限などには素直に従うという気持ちが強くなった。出先でなにか起きたときの代替手段を常に考えるようにもなった。
裏で行われている不断の努力を思えば利用者である自分もささやかな協力をするのも悪くないと思うのだ。
電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書)
宇田 賢吉
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