重たいハードカバーの3冊。古本屋で一冊105円で買ってきたものだ。
読み始めて最初の2冊はわりと早く読み進んだのだが、どういうわけか3冊目がなかなか進まなかった。
核心に近づくにつれて難しくなってしまうのは村上春樹の作品の特徴なのだが、この本の終盤はどうもすっきりしないというか、難しいまま終わってしまうという感じ。わからないなりにもなんとなく納得という感じがいまひとつしなかったのだ。
ただ、主人公の感じていること、考えていることにはいちいち同感してしまうのがなんだか変な感じだった。変わったところのある主人公の感覚に同意できてしまうというのは問題があるのではないだろうか?と思ってしまう。
でも、村上春樹がの作品が好きだという人はたいていそんなものなのだろうし、本がたくさん売れているということはきっと世の中のたくさんの人が僕と同じように感じているのにちがいない。
何だかんだ言っても村上春樹は読みたいものがまだまだあるのだな。
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)彼はいわゆる世間一般の「運命論者」ではなかった。しかしそれにもかかわらず、彼は生まれてこの方、自分が何かを主体的に決断しているという実感をどうしても抱くことができなかった。彼は自分が常に運命の都合どおりに「決断させられている」と感じていた。
村上 春樹
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