この投稿が楽しくて、またまた江戸モノが読みたくなってきた。とりあえずはやっぱり杉浦日向子ってわけで、僕のお気に入りを紹介しようと思う。
まずは「風流江戸雀」。川柳をマンガにしたもので、僕はこれを最初に読んで杉浦日向子のファンになった。川柳に表された人々の機微はとても勉強になるのだな。
次は「江戸アルキ帖」。確かタイムマシーンで江戸に行っていろいろ見て歩く江戸案内だったと思う。その詳細さに読んでいるとこの人は間違いなくこっそり江戸に行っていると思ってしまうのだな。
「とんでもねえ野郎」。これはマンガ。江戸の末期の町道場主が主人公なのだが、こいつがまたとんでもねえ野郎なのだ。とんでもなさがやたらと滑稽で、憎めないところがいいのだな。
「百日紅」これは定評のある北斎もの。これを読んでいると日向子マンガは浮世絵なのだなあと思えてくる。北斎も良く描かれているのだが、娘のお栄にはきっと思い入れがあったのだろう。ちょっと作者に重ねてみたりする。
「一日江戸人」。これ確か週刊スピリッツに連載してたんじゃなかったかなあ。江戸通になるにはここから入るといい感じ。江戸で暮すためのマニュアル本みたいなものだ。読んでいると江戸っ子を身近に感じるし、江戸に住んでみたくなる。
「お江戸でござる」。NHKで杉浦さんが考証でいろいろ説明していた番組の本。江戸時代について僕たちは随分誤解しているんだなあと思ったりする。
テレビの中で喉を気にしながら話す杉浦さんの姿が忘れられない。
僕が日向子漫画で一番の傑作だと思うのが「百物語」。
もちろん怖い話を集めたものなのだが、怖いというよりも身近な不思議といった感じの、江戸時代の人々の心が伝わってくる珠玉の短編集。絵も、登場人物のセリフひとつひとつが印象に残って、何度読んでも飽きない本なのだ。
杉浦さんは若くして喉の病気で亡くなってしまったが、僕は彼女は江戸から現代にやってきた人で、ついと江戸に戻ってしまったのだと密かに信じているのだ。
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