陸(しょうゆ)海(とんこつ)空(みそ)。うまさ狙い撃ち!うまさ急上昇!うまさロックオン!製造はエースコック。
一気に読んでしまった。
落語家風というか江戸っ子風というか、主人公がさっぱりと短い言葉で語っていくスタイルが小気味よい。と言ってコメディかといえばまったくそんなことはない。大真面目で融通の利かない江戸っ子と、それぞれなにか問題を抱えた少年、男、女。
基本的には恋愛ものという感じなんだけど、主人公のもとに集まって、前に進む力をつけていく人たちと、もう一皮むけないと一人前の噺家になれないとなやむ主人公のやりとりがもう一方のちょっと重たい筋になっている。
読み終わった後にとても暖かい気持ちになる作品。
映画を見てからと思っていたんだけど、結局行きそびれたので本を買った。たぶんこれは原作本のほうが面白かったんじゃないかなあと思いながらも主人公のイメージは国分太一なのだな。ま、映画はいずれDVDを借りてみてみることにしようっと。
梅光軒の醤油。札幌らーめん共和国は混雑しているからめったにこないんだけど、梅光軒の名前を見て懐かしくなった。旭川にいたときは味噌ばかり食べていたっけなあ。醤油はしっかり旭川風だね。
面白かった。
本屋でたまたま目にして、このカバーに惹かれて買ったのだ。著者ななんとなく見たことがあるようなないような感じ。とくにマークしていたということはなかった。
が、これは当りだったな。
30年ほど前には、こんなような話は結構あったような気がする。テレビでも中村雅俊とかがドラマで「俺たちの旅」とかやっていたでしょう?ああいう右往左往手探り青春の世界。そういうのに憧れた時期が僕らの世代にはわりといるんじゃないかと思うのだ。
が、この話は90年代のことだ。30年前の人々と違うのは、著者があちこちの辺境の国々に出て行くフリーライターだってことだ。それ以外は金がなくてダラダラと過ごしていて、「俺たちの旅」的世界みたいに一生懸命じゃない。傍から見ればなにをやっているかわからない怪しい人である。そういう人が暮していけるワセダの古いアパートが、ほんのちょっと前の東京にはあった(今でも探せばあるのだろうけど)のだな。
とりあえず食える程度は働くけどそれ以外はゴロゴロして過ごして学生気分を卒業できないでいるという人は、どんな時代でもいるもので、ことさらフリーターだとかなんだとか騒ぐことでもないのかもしれないなあと思う。まあ、もちろんこの人は「書く」という才能があるからただのフリーターではなかったわけだけど。
だけど、読んでいて強烈にせつない気分になったなあ。僕は同じような時期に毎日会社に通っていたわけで、それはそれで別に悔いがあるわけではないんだけど、なんだかなにか落し物をしてきたような気持ちになったのだな。あの年代に戻ることはもうできないってことを痛烈に感じてしまった。
まあ、それはそれとして、とても読みやすくて面白かったので、この人の他の作品を読んでみようと思ったよ。
また読みたい本が増えてしまった。
昨日のお昼頃に「精霊の守り人」を読み終わって、すぐに「闇の守り人」にとりかかった。 これも読み始めたらどんどん進んでしまって、就寝前には読み終わってしまった。
この巻は、完全に主人公のバルサが中心に書かれている。こういうと変だが、主人公は女用心棒だから、他のストーリーはどちらかと言えば誰かを守るという観点で書かれていて、この巻だけはバルサが自分のために闘うというストーリーになっているのだ。
闇の守り人との闘いは恐ろしく、苦しいものだ。それを戦い抜いて彼女は一段成長する。三十代の女用心棒が成長すると言ったらおかしいかもしれないが、大人だって成長するのだ。
そういう大人のバルサの気持ちがそこそこ大人の読者には痛いほどわかるのではないだろうか?
さて、この続きはまだ買っていない。書店に行ってこなければ。
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